こんにちは。
最近のゲームはグラフィックが綺麗な分、データサイズがとんでもなく大きくて、あっという間にストレージがいっぱいになってしまいますよね。ロード時間も長くてイライラしたり、新しいソフトを入れるために泣く泣く他のゲームを消したり。そんな悩みは、ゲーミングPCのSSD増設を行うことで、容量不足をスッキリ解消しつつ、読み込み速度も爆速にして快適なプレイ環境を手に入れられるかもしれません。今回は、おすすめの容量やM.2などの規格の選び方、実際の取り付け手順から初期化やフォーマットのやり方、さらには増設したのに認識しないといったトラブルの対策まで、私が調べたり経験したことをまるごと、わかりやすくお話ししていこうかなと思います。
- プレイするゲームに合わせた最適なSSD容量の目安
- M.2などの規格の違いやおすすめメーカーの特徴
- 静電気対策やフォーマットを含む具体的な手順
- BTOパソコンの保証規定とトラブル時の解決法
ゲーミングPCのSSD増設を成功に導く準備
PCケースを開けて実際の作業を始める前に、まずは自分のパソコン環境にぴったり合ったパーツをしっかりと選ぶことが何より大切ですね。適当に安いものを買ってしまうと、いざ付けようとした時に形が合わなかったり、本来のスピードが出なくて損をしてしまったりすることがあります。ここでは、容量の選び方やちょっと複雑な規格の違い、メーカーごとの特徴など、ゲーミングPCのSSD増設で絶対に失敗しないための基礎知識を、できるだけわかりやすくまとめてお伝えしていきますね。
プレイ環境に最適な容量の選び方
ゲームのデータ容量は、年々恐ろしいスピードで大きくなっています。一昔前なら数十GBで大作と言われていましたが、最近のオープンワールドゲームやリアルなグラフィックを追求したAAAタイトルだと、1本のソフトだけで100GB以上のストレージを要求してくることも珍しくありません。さらに、オンラインゲームの場合は定期的な大型アップデートが当たり前なので、最初にインストールした時よりもどんどんデータが肥大化していくんですよね。
ここで見落としがちなのが、OS(Windows)や普段使っている必須ソフトが最初から占有しているシステム領域の存在です。例えば、(出典:Microsoft公式『Windows 11 の仕様とシステム要件』)によれば、Windows 11の最小要件として64GB以上の記憶装置が必要とされていますが、実際にはシステムの復元ポイントや一時ファイル、仮想メモリなどが確保されるため、もっと多くの容量が食いつぶされてしまいます。
さらに、SSDのパッケージに「1TB」と書かれていても、パソコンのOS上で実際に使える容量(フォーマット後の実容量)は計算式の違いで約930GBくらいに減ってしまうんです。OSの分とこの計算のズレを合わせると、1TBを買っても最初から自由に使えるのは800GBちょっとだと考えておくのが安全ですね。
プレイスタイル別・おすすめSSD容量の目安
| 容量 | おすすめのユーザー層と使い方 |
|---|---|
| 500GB | VALORANTやApexなど、特定の1〜2タイトルしか遊ばない人。遊び終わったゲームはすぐに消して、こまめにデータを整理できる几帳面な方ならギリギリ足りるかもしれません。ただし将来的な余裕はあまりないですね。 |
| 1TB(1000GB) | 今のゲーミングPCにおいて最もスタンダードで、一番おすすめの容量です。100GB級の大型タイトルをいくつか同時に入れておいても余裕があり、アップデートが来ても安心。価格と容量のバランス(コスパ)が一番良い帯域かなと思います。 |
| 2TB以上 | ゲームの実況動画を録画して保存する配信者の方や、動画編集も一緒にやりたいクリエイターの方。また「遊びたい時にすぐ起動できるよう、数十本のゲームを常にインストールしておきたい」というガチゲーマーの方には必須の容量になってきます。 |
個人的には、後から「やっぱりもうちょっと大きいのにしておけばよかった…」と後悔して再増設の手間をかけるくらいなら、最初から少し奮発して1TB以上のモデルを選んでおくことを強くおすすめしたいかなと思います。
NVMeやPCIe規格の違いと選び方
SSDには大きく分けて2つの形があります。一つは、従来のノートパソコンなどによく使われていたお弁当箱みたいな形の「2.5インチ」タイプ。そしてもう一つが、最近のゲーミングPCでは当たり前になっている、チューインガムみたいに細長くて小さな基板がむき出しになった「M.2(エムドットツー)」というタイプです。ゲーミングPCのSSD増設でロード時間を爆速にしたいなら、迷わずM.2タイプを選ぶのが正解です。
2.5インチのSSDは「SATA(サタ)」という一昔前の通信ケーブルを使って繋ぐのですが、この規格だとデータの転送速度が限界に達していて、どれだけ良いSSDを買っても毎秒約600MBくらいしかスピードが出ません。これでも昔のカリカリ音を立てていたHDD(ハードディスク)よりは数倍速いんですが、最新のゲームをサクサク動かすにはちょっと力不足になってきました。
一方、M.2タイプの中には「NVMe(エヌブイエムイー)」という超高速な通信ルールを使っているものがあります。マザーボードに直接カチッと挿し込めるので、邪魔なケーブルもいりません。そして、このNVMeのSSDを選ぶ時に一番重要になるのが「PCIe(ピーシーアイイー)」の世代(Gen=ジェネレーション)です。
PCIe規格の世代ごとの違い
- PCIe Gen3: 数年前の標準規格。最大速度は毎秒約3500MB。今でも十分速いですが、最新タイトルでは少しロード時間の差が出ます。
- PCIe Gen4: 現在のメインストリームで、一番おすすめ。PS5の拡張スロットでも要求される規格で、最大速度は毎秒約7000MBに達します。ゲームのロードが本当に一瞬で終わる世界ですね。
- PCIe Gen5: 最新の超高性能規格。毎秒10000MBを超えるバケモノみたいな速度が出ますが、発熱が凄まじく、値段もまだかなり高いので、一般のゲーマーには少しオーバースペックかもしれません。
ここで絶対に注意してほしい罠があります。それは「パソコン側のマザーボードやCPUが古いと、最新のGen4やGen5のSSDを挿しても、古い規格のスピード(Gen3など)に制限されてしまう」ということです。せっかく高いお金を出してGen4の超速SSDを買っても、お使いのパソコンがGen3までしか対応していなければ、半分のスピードしか出なくて非常にもったいないことになります。ですので、増設用にSSDを買う前には、必ずご自身のパソコンのCPUの世代やマザーボードの型番をネットで検索して、「どのPCIe世代に対応しているか」を調べておくのが鉄則ですね。
おすすめのSSDメーカーと耐久性
AmazonなどでSSDを検索すると、聞いたこともないような激安メーカーのものがたくさん出てきますよね。安さに惹かれてポチりたくなる気持ちはすごくよくわかりますが、大切なゲームのデータやOSを入れる部品ですから、急に壊れてデータが全部飛んでしまうようなリスクは避けたいところです。SSDの心臓部である「NANDフラッシュメモリ(データを記憶するチップ)」を自社で開発・製造できるメーカーは世界でも限られていて、そういった大手メーカーの製品を選ぶのが結局は一番安心で長持ちするかなと思います。
SSDには「TBW(Tera Bytes Written:総書き込み容量)」という、寿命を示す目安の数字があります。これは「このSSDが壊れるまでに、トータルで何テラバイトのデータを書き込めるか」という耐久力のことですね。例えばTBWが600TBと書かれている1TBのSSDなら、毎日50GBのゲームデータをダウンロードしては消す、という極端な使い方をしても、計算上は30年以上もつことになります。普通にゲームを遊んで、たまに新しいソフトを入れるくらいの一般的なゲーマーであれば、TBWの寿命を使い切る前にパソコン自体を買い替える時期が来るので、そこまで神経質になる必要はないかも。ただし、高画質なプレイ動画を毎日何時間も録画して保存するような配信者の方は、このTBWの数字が大きい、耐久性に優れた上位モデルを選んでおくと安心ですね。
個人的におすすめしたい信頼できる3大メーカー
- Crucial(クルーシャル): メモリの世界的企業であるMicron(マイクロン)が展開しているブランドです。「T500」シリーズなどは、価格が手頃なのに性能が高く、発熱も抑えられているため、多くのゲーマーに愛用されている鉄板モデルですね。迷ったらコレ、と言えるくらいの安定感があります。
- Western Digital(ウエスタンデジタル): 昔からハードディスクで有名な老舗メーカーですが、SSDでも超一流です。特にゲーマー向けにチューニングされた黒いパッケージの「WD_Black(SN850Xなど)」シリーズは、ゲームのロード時間を極限まで短縮してくれるので、少し予算を足してでも最高峰の性能が欲しい方におすすめです。
- Samsung(サムスン): スマホだけでなく、実はNANDフラッシュメモリの世界トップシェアを誇る巨人です。自社製のコントローラー(SSDの頭脳)の出来が非常に良く、「990 PRO」といった上位モデルは、プロゲーマーや自作PCマニアのベンチマーク基準になるほどの圧倒的な性能と信頼性を持っています。
これらの主要メーカーであれば、専用の管理ソフト(ダッシュボード)が用意されていて、SSDの健康状態を簡単にチェックできたり、データを丸ごと引っ越し(クローン)するソフトが無料で使えたりといった特典もあるので、初心者の方ほど有名メーカー品を選ぶメリットは大きいと思います。
BTOパソコンの保証規定と注意点
ドスパラ(Galleria)やマウスコンピューター(G-Tune)、パソコン工房(Level Infinity)といった、いわゆるBTO(Build To Order)パソコンを使っている方は非常に多いと思います。組み立てる手間がなく、届いたらすぐにゲームができるのが最高なんですが、いざ「SSDの容量が足りなくなったから自分で増設しよう!」と思った時に、絶対に立ち止まって確認してほしい非常に重要な落とし穴があるんです。それは、「自分でPCケースを開けたり、中身のパーツをいじったりした瞬間に、メーカーの無料保証がすべて無効になってしまう可能性がある」というリスクです。
多くのBTOメーカーは、出荷した時のパーツ構成を厳格に管理しています。パソコンの背面のネジのところに「このシールを剥がしたら保証対象外(Warranty Void If Removed)」と書かれた封印シールが貼られていることもあります。もしこれを無視して自分でSSDを増設したあとで、例えばマザーボードやグラフィックボードが急に故障したとします。メーカーに修理に出しても、「お客様自身で改造されているため、保証期間内であっても有償修理になります」と判断されてしまい、数万円から、最悪の場合は十数万円もの修理費用が全額自己負担になってしまう恐れがあるんですね。
静電気でうっかり他の部品をショートさせてしまったり、ドライバーを滑らせて基板を傷つけてしまったりという、作業中の物理的な破損は絶対に保証されません。※費用や保証の条件はあくまで一般的な目安であり、メーカーや購入したプランによって全く異なります。
ただし、全てのメーカーがダメと言っているわけではありません。例えばパソコン工房などは、ユーザー自身の責任の範囲内であれば、ケースを開けてメモリやSSDを増設しても保証は継続されるという、自作派に優しい規定を設けていたりします。
ですので、作業を始める前に、まずは必ずご自身が持っているパソコンのサポートマニュアルを読み込むか、メーカーの公式サイトのFAQページ(よくある質問集)を確認して、自分の手で増設しても保証が切れないかどうかをチェックしてください。もし「保証が切れる」と書いてあって、しかもパソコンを買ってからまだ数ヶ月しか経っていない(保証期間がたっぷり残っている)のであれば、自分でやるのは一旦ストップした方がいいかも。メーカーの公式サポートにPCを送って増設してもらうサービスや、全国にあるPCショップの持ち込み取り付け代行サービスを有償で利用した方が、万が一の時のリスクを考えるとトータルで安上がりになることもあります。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は専門家にご相談くださいね。
外付けSSDと内蔵型のメリット比較
「ケースを開けたら保証が切れるかもしれないし、そもそも静電気とか精密機器を触るのが怖い…」という方にとって、とても魅力的なもう一つの選択肢が「外付けSSD」の活用ですね。USBケーブルでパソコンの空いているポートにカシャッと繋ぐだけで、あっという間にゲームの保存領域を増やすことができるので、初心者の方にはハードルが一番低い方法です。
外付けSSDの最大のメリットは、何と言ってもその手軽さと安全性の高さです。パソコンのケースを開ける必要が一切ないので、メーカー保証を無効にしてしまうリスクがありませんし、ドライバーなどの工具も不要です。また、友達の家に遊びに行く時に、自分のゲームデータを入れたまま外付けSSDを丸ごと持っていって、別のパソコンで続きを遊ぶといった、ポータブルならではの便利な使い方もできちゃいます。
しかし、ゲーミングPCのSSD増設という本来の目的(ロード時間を極限まで短縮して快適に遊ぶこと)を考えると、外付けSSDにはどうしても超えられない物理的な壁が存在します。それが「USBケーブルの転送速度の限界」です。内蔵型のM.2 NVMe SSD(Gen4)がマザーボードの太いデータ通信路(PCIeレーン)を直接通って毎秒約7000MBの速度を叩き出すのに対し、一般的な外付けSSD(USB 3.2 Gen2など)は、USBの細い通信路を通らなければならないため、毎秒1000MB程度が限界になってしまいます。これでもHDDよりは十分に速いのですが、最新の重たいゲーム(例えばロード画面なしで世界をシームレスに移動するようなオープンワールド)では、テクスチャの読み込みが間に合わずにカクついたり、景色が遅れて表示されたりする「ポップイン現象」が起きてしまう可能性があります。
内蔵型と外付け型の使い分け案
- 内蔵M.2 SSDの増設: 普段メインでガッツリ遊ぶFPSゲームや、ロード時間を1秒でも短くしたい最新のAAAタイトルをインストールする場所。圧倒的なスピードで妥協のないゲーミング環境を作れます。
- 外付けSSD: 昔の軽いインディーゲームや、遊ぶ頻度は低いけれど消したくないゲームデータの保管庫として。また、プレイ動画の録画データや写真、音楽などのメディアファイルを保存する倉庫として使うのがベストなバランスです。
最近はWindowsの「DirectStorage(ダイレクトストレージ)」という、SSDからグラフィックボードへ直接データを送って超高速でゲームを読み込む新しい技術も普及し始めていますが、これは基本的に内蔵型のNVMe SSDでないと恩恵を受けられません。ですので、ご自身のスキルやパソコンの保証期間とよく相談した上で、もし可能であれば、勇気を出して内蔵型の増設にチャレンジしてみるのが、ゲーミングPCの性能を100%引き出すための本命のやり方かなと思います。
ゲーミングPCへのSSD増設とトラブル対処
パーツ選びが終わって、自分のPCの保証規定も確認し、いよいよ内蔵型のM.2 SSDをパソコンに組み込む決心がついたら、ここからは具体的な実践編に入っていきましょう。パソコンの内部は精密機器の塊なので、初めてケースを開ける時は少し手が震えるかもしれませんが、一つ一つの手順を落ち着いて確実に進めていけば、決して難しい作業ではありません。ここでは、作業前に必ずやるべき準備や正しい取り付け方から、OS上で使えるようにするフォーマットの手順、そして「あれ?うまく認識されないぞ」と焦った時の解決策まで、順を追って詳しく解説していきます。
必要な工具の準備と静電気への対策

作業をスムーズに、そして何より安全に進めるためには、まずは適切な道具をしっかりと手元に揃えるところから始めましょう。パソコンのサイドパネル(ケースの横の板)を外したり、グラフィックボードを固定しているネジを外すためには、一般的なサイズの「プラスドライバー」が必要です。そして、一番重要なのが、マザーボードの小さな台座にM.2 SSDを固定するための「精密ドライバー(0番や1番といった細いサイズ)」です。
M.2を留めるためのネジは本当に米粒みたいに小さくて、ポロリと落としやすいんです。もし落としたネジがマザーボードの隙間や電源ユニットの中に転がっていってしまい、見つからないままパソコンの電源を入れてしまうと、金属のネジが回路をショートさせて、パソコン全体が一発でお釈迦になってしまうという恐ろしい事故に繋がります。これを防ぐために、精密ドライバーは必ず先端に磁石(マグネット)が付いていて、ネジが吸い付くタイプのものを用意してください。これがあるだけで、作業の難易度とストレスが劇的に下がります。
目に見えない最大の敵「静電気」 冬場の乾燥した時期などに、ドアノブを触って「パチッ!」となるあの静電気(ESD:静電気放電)ですが、人間にとってはただ痛いだけでも、パソコンのデリケートな電子部品にとっては雷が落ちるのと同じくらいの破壊力を持っています。作業前には、必ず以下のような対策を徹底してください。
- パソコンの電源を通常通りシャットダウンした後、背面の電源ユニットのスイッチをオフ(◯のマーク)にしてから、コンセントから電源ケーブルを完全に抜く。
- ケーブルを抜いた後、パソコンの電源ボタンを数回カチカチと押して、内部のコンデンサに溜まっている残り火(残留電力)を完全に放電させる。
- 自分自身の体に溜まった静電気を逃がすために、スチール製の机の脚やアルミサッシなど、塗装されていない金属部分に両手でしっかりと触れる。
- フリースやセーターなど、静電気が起きやすい服は脱いで、できれば綿100%の服で作業する。心配な方は市販の静電気防止手袋を使用する。
また、ケースの中は意外と暗くて奥まったスロットが見えにくいので、スマホのライトや小さな懐中電灯を用意して、内部を明るく照らしながら作業すると、端子の向きやネジ穴を間違えにくくなりますよ。
M.2スロットへの正しい取り付け方

静電気対策をバッチリ行い、ケースのサイドパネルを開けたら、まずはマザーボード(一番大きな基板)の上にある「M.2スロット」の場所を探します。最近のゲーミングマザーボードだと、スロットが複数(2つ〜4つほど)用意されていることが多いです。一番CPUに近い上のスロットは元々Windowsが入っているメインのSSDが刺さっているはずなので、空いている2番目か3番目のスロットを使います。もし巨大なグラフィックボード(GPU)が覆い被さっていてスロットが見えない、または手が届かない場合は、一度グラボの固定ネジとロックピンを外して、一時的にグラボを抜き取るという前準備が必要になることもありますね。
スロットを見つけたら、まずは台座となる「スタンドオフ」という小さな六角形の金属パーツが、自分が買ったSSDの長さ(一般的なType 2280なら80mmの位置)に合っているか確認します。ズレていたら、ペンチなどで優しく回して正しい位置に付け替えておきましょう。
さて、いよいよSSD本体を挿し込みます。ここが一番ドキドキする瞬間ですが、絶対にやってはいけないのは、スロットに対して基板を「水平」にして力任せにグッと押し込むことです。これをやると端子が折れて壊れます。
M.2 SSDの正しい挿し込み手順
- SSDの金色の端子部分にある「切り欠き(へこみ)」と、マザーボード側のスロットの突起の形をピッタリ合わせる。
- マザーボードに対して、「約30度の斜め上の角度」から、スロットの奥に向けてスッと優しく差し込む。
- 端子の金色の部分がほとんど見えなくなるまで奥に入ったら、斜めに浮き上がっているSSDの反対側(ネジ穴がある方)を、指で水平になるように優しく押し下げる。
- 押し下げた状態で、準備しておいたマグネット付きの精密ドライバーを使って、小さな固定ネジをスタンドオフに向かって回し入れる。
ネジを締める時の力加減(トルク)もすごく大事です。親のかたきのようにギューギューに力一杯締め付けてしまうと、薄いSSDの基板が反り返ってしまい、内部の配線が断線して故障する原因になります。「ネジがクルクル回って、ピタッと抵抗を感じて止まったところから、ほんの気持ちだけ軽くキュッと力を加える」くらいの、優しい力加減で十分固定されますよ。
ヒートシンクによる熱対策の重要性

SSDをスロットにカチッと固定できたら、「よし、これでケースを閉じて完成だ!」と言いたいところですが、ちょっと待ってください。もしあなたが買ったのがPCIe Gen4やGen5といった最新の高速なSSDであるなら、「熱対策(サーマルマネジメント)」という非常に重要な工程が残っています。
M.2 NVMe SSDは、その小さな基板の上で毎秒何千メガバイトという膨大なデータを処理しているため、脳みそにあたる「コントローラーチップ」がとてつもない熱を発します。そのまま何も付けずにゲームのロードなど高負荷な作業をさせると、チップの温度が70度〜80度近くまで急上昇してしまうんです。精密機器は熱に弱いため、SSD自身が「このま弱と熱で燃えて壊れちゃう!」と判断すると、自分を守るために自己防衛機能である「サーマルスロットリング」という安全装置を発動させます。
このサーマルスロットリングが働くとどうなるか。意図的にデータの転送速度を急激に(場合によってはHDD並みの遅さに)ガクンと落として、発熱を抑えようとします。つまり、せっかく高いお金を出して爆速のSSDを買ったのに、熱のせいで全然スピードが出ない、ゲームがカクカクになるという悲しい事態に陥ってしまうんですね。
ヒートシンクを活用した冷却のポイント
- マザーボード標準のアーマーを活用する: ゲーミングマザーボードの多くには、M.2スロットの上に最初から分厚い金属製のプレート(M.2ヒートシンクアーマー)が付いています。これがある場合は、裏面に貼られているサーマルパッドの透明な保護フィルムを忘れずにペリッと剥がしてから、SSDの上から被せてネジ止めするだけで十分な熱対策になります。(フィルムを剥がし忘れると熱が伝わらず逆効果になるので注意!)
- サードパーティ製のヒートシンクを買う: マザーボードにカバーが付いていない場合や、あえて剥き出しのスロットに挿す場合は、SSDと一緒に市販のアルミ製ヒートシンク(千円〜二千円程度)を買いましょう。SSDをシリコンパッドでサンドイッチするように挟み込んで固定することで、熱を空気中に効率よく逃がすことができます。
- ケース内の風通し(エアフロー)を意識する: どんなに立派なヒートシンクを付けても、PCケースの中に熱い空気がこもっていては意味がありません。ケースの前面にある吸気ファンから冷たい空気を取り入れ、背面の排気ファンから熱気を追い出すという「風の通り道」を作ることで、SSDの冷却効果はさらにアップします。
少し面倒かもしれませんが、このひと手間をかけることで、数年先までSSDの健康と最高のパフォーマンスを維持することができるので、絶対に省略しないでくださいね。
設後のフォーマットと初期化手順

さあ、ケースの蓋を閉じて電源ケーブルをコンセントに繋ぎ、祈るような気持ちでパソコンの電源ボタンをポチッと押します。無事にWindowsが立ち上がって「よかった、壊してなかった!」と安心したのも束の間。マイコンピュータ(エクスプローラー)を開いてみると、「あれ?新しく付けたSSDのドライブ(Dドライブなど)がどこにも表示されていない!」と焦ってしまう方が非常に多いんです。
でも安心してください。これは作業を失敗したわけでも、SSDが不良品だったわけでもありません。工場から出荷されたばかりの新品のSSDというのは、言ってみれば「白紙の巨大なノート」のような状態です。どこからどこまでがページで、どうやって目次を作るのかというルール(ファイルシステム)が全く書き込まれていない「未割り当て(RAW)」という論理状態にあるため、Windowsからはデータを読み書きできるドライブとして認識されていないだけなんですね。
使えるようにするためには、OS上で「このノートはこういうルールで使いますよ」という初期設定(フォーマット)の作業を行ってあげる必要があります。Windows環境での手順は以下の通りです。
Windowsの「ディスクの管理」を使ったフォーマット手順
- 画面一番下にあるスタートボタン(Windowsの窓のマーク)を右クリックし、ズラッと出てきたメニューの中から「ディスクの管理」をクリックして開きます。
- ツールが起動すると、自動的に「ディスクの初期化」という小さな画面がポップアップします。ここで「MBR」と「GPT」という2つの選択肢が出ますが、現代のゲーミングPC環境なら絶対に「GPT(GUID パーティション テーブル)」を選択してOKを押してください。(MBRは古い規格で、2TB以上の大容量を正しく認識できないなどの弱点があります)
- 画面の下半分に、黒い帯で「未割り当て」と書かれた新しいディスク(先ほど初期化したもの)が表示されます。その黒い帯の上で右クリックし、「新しいシンプルボリューム」を選択します。
- ウィザード画面が立ち上がるので、「次へ」を押していきます。容量はそのままで最大値が選ばれているので次へ進み、「ドライブ文字」を割り当てます。空いている好きなアルファベット(「D」や「E」など)を選んでください。
- 最後にフォーマットの設定画面になります。ファイルシステムは「NTFS」、アロケーションユニットサイズは「既定値」のままにします。「ボリュームラベル」の欄に「Gaming_SSD」など、自分が分かりやすい名前を入力して「次へ」を押し、「完了」をクリックします。
数秒でクイックフォーマットが完了し、先ほどまで黒かった帯が青色(正常なパーティション)に変わります。これで改めてエクスプローラーを開いてみてください。見事に新しいドライブが出現しているはずです。あとは、SteamやEpic Gamesなどのゲームランチャーの設定画面から、新しいインストール先としてこのドライブを指定してあげれば完了です!
SSDが認識しない時の原因と解決策

「手順通りに物理的にも取り付けたし、ディスクの管理も開いたのに、そもそも初期化の画面すら出ないし、どこにもSSDの文字が見当たらない…」という、一番心臓に悪いトラブルに見舞われることも稀にあります。こうなってしまった時はパニックにならず、原因が「物理的なもの」なのか「システム的なもの」なのかを、階層(レイヤー)ごとに一つずつ切り分けて探っていくのが、解決への一番の近道になります。
① 物理的な接触不良(レイヤー1) 初心者の方にダントツで多い原因がこれです。「30度の角度で挿し込む」というのを遠慮しすぎて、奥の金色の端子が少し見えた状態で中途半端にネジ止めしてしまっている「半挿し」状態ですね。面倒ですが、もう一度パソコンの電源を抜いて放電し、SSDを外して、しっかりとカチッという感触があるまで奥まで挿し直してみてください。また、消しゴムでSSDの端子部分を優しくこすって酸化膜を取る(※削りカスは綺麗に払う)だけであっさり認識することもあります。
② マザーボードの排他仕様やBIOSの設定(レイヤー2) しっかり刺さっているのに認識しない場合、マザーボードの「排他利用のルール」に引っかかっている可能性が高いです。マザーボードの中には、「M.2の2番スロットを使うと、SATAの5番と6番ポートは無効になる」あるいは逆に「SATAにHDDを繋いでいると、M.2のスロットが使えなくなる」といった、通信レーンの取り合い(シェア)が起こる仕様になっているものがたくさんあります。マザーボードの説明書を読み込んで、スロットの競合が起きていないか確認してください。また、PC起動直後に「Delete」キーなどを連打してBIOS(UEFI)画面に入り、該当のM.2スロットの設定が「Disabled(無効)」になっていないかチェックするのも重要です。
③ Windowsのドライバー不良(レイヤー3) BIOS画面ではSSDの名前が表示されているのに、Windowsに入ると見えない場合。これはOS側のドライバーに問題があるかもしれません。スタートボタン右クリックから「デバイスマネージャー」を開き、「記憶域コントローラー」の中にある「標準 NVM Express コントローラー」に黄色いビックリマーク(!)が付いていないか確認してください。もし付いていたら、右クリックから「ドライバーの更新」をするか、マザーボードの公式サイトから最新のチップセットドライバーをダウンロードしてインストールし直すことで解決することが多いです。
もし新品の増設ではなく、「前から使っていてゲームのデータがたくさん入っているSSD」が突然アクセスできなくなった場合は、ファイルシステムが論理的に壊れている(データ障害)可能性があります。この時に「フォーマットしますか?」と聞かれて「はい」を押してしまうと全データが消えてしまうので、絶対に押さないでください。大切なデータを救出したい場合は、自力で何とかしようとせず、すぐに専門のデータ復旧業者に相談することをおすすめします。最終的な判断は専門家にご相談くださいね。
ゲーミングPCのSSD増設に関するまとめ
ここまで、かなり長丁場になりましたが、ゲーミングPCのSSD増設について、失敗しない選び方から、リスクの確認、実際の取り付け手順、そしてトラブルが起きた時の対処法まで、まるごと一気に解説してきました。専門用語もたくさん出てきたので、最初は頭が痛くなったかもしれませんが、一つ一つの仕組みを紐解いていくと、パソコンって実はすごく論理的にできているプラモデルみたいなものだということがわかってもらえたんじゃないかなと思います。
ゲームのグラフィックが進化し、世界が広大になればなるほど、それを読み込むためのデータ量は際限なく大きくなっていきます。古いHDDや容量がギリギリのSSDのままでは、ゲームを立ち上げるだけで何分も待たされたり、カクつきにストレスを感じたりと、せっかくの休日の楽しいゲーム体験が台無しになってしまいますよね。PCIe Gen4などの最新規格に対応した十分な容量のM.2 NVMe SSDを正しくシステムに組み込むことは、ロード時間の短縮だけでなく、パソコン全体のサクサク感まで底上げしてくれる、本当に投資対効果の高い最高のアップグレードです。
もちろん、ケースを開けて精密機器を触る以上、静電気でパーツを壊してしまったり、BTOパソコンのメーカー保証を無効にしてしまったりといったリスクがあることは忘れてはいけません。作業中は決して焦らず、事前に自分のパソコンの仕様をしっかり調べ、手順を一つずつ確認しながら慎重に進めることが大前提になります。どうしても不安が拭えない場合は、無理をして自力でやろうとせず、パソコンショップのプロの店員さんに工賃を払って代行してもらうというのも、立派なリスクマネジメントであり、賢い選択肢の一つかなと思います。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、最終的な判断は専門家にご相談くださいね。
この記事でお伝えした知識や手順が、皆さんのストレージ容量不足の悩みをスッキリと解消し、ストレスフリーで圧倒的に没入できる、最高の次世代ゲーミング環境を作り上げるための確かな道しるべになれば、これ以上嬉しいことはありません。大容量SSDを手に入れて、ぜひ思う存分、好きなゲームを遊び尽くしてくださいね!
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