国民的RPG「ドラゴンクエスト」の魅力的な世界観を語る上で、漫画家・鳥山明氏の存在は欠かせません。ドラクエと鳥山明氏の関係はいつから始まり、なぜ彼が起用されたのでしょうか。
この記事では、鳥山明氏が手掛けたドラクエのデザインやイラスト、そして原案について、デザイン一覧を振り返りながらその功績を解説します。また、多くの方が気になる「ドラクエの鳥山明デザインはいつまで続くのか」という疑問や、後継者の存在、一部で囁かれる「ドラクエは鳥山明じゃない」という声の背景、そして生前の引退の噂にも触れていきます。
さらに、突然の訃報に関して、ドラクエの鳥山明はなぜ亡くなったのか、公式発表された死因と、一部で語られるタバコが原因という説についても、情報を整理してお伝えします。
この記事でわかるこ
- 鳥山明がドラクエに関わった経緯とデザインの特徴
- 鳥山明のデザインがいつまで続くのかという疑問
- 鳥山明氏の逝去に関する情報と後継者の有無
- 今後のドラクエ作品と鳥山デザインの関わり
ドラクエと鳥山明、その伝説の始まりとデザインの神髄

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- ドラクエになぜ鳥山明が起用されたのか
- ドラクエと鳥山明の関わりはいつからか
- ドラクエにおける鳥山明のデザインの特徴
- 鳥山明が手掛けたドラクエのモンスター原案
- 一覧で見る鳥山明のドラクエデザイン
- 心を掴むドラクエの鳥山明イラスト
ドラクエになぜ鳥山明が起用されたのか
ドラゴンクエストに鳥山明氏が起용された理由は、ゲームの生みの親である堀井雄二氏が、当時『週刊少年ジャンプ』で『Dr.スランプ』を連載していた鳥山氏の絵のファンだったからです。
この事実は、鳥山氏の訃報に際して堀井雄二氏が発表した追悼コメントでも触れられています。(参照:スクウェア・エニックス公式サイト)
堀井氏と鳥山氏の間を取り持ったのが、鳥山氏の担当編集者であった鳥嶋和彦氏でした。堀井氏がジャンプでライターをしていた縁から鳥嶋氏と親交があり、「新しいゲームのキャラクターデザインを鳥山先生にお願いできないか」と相談したことが、すべての始まりだったと言われています。
当時、ゲームのキャラクターデザインを著名な漫画家が手掛けることは非常に珍しい試みでした。しかし、堀井氏は鳥山氏の描くキャラクターの温かみや魅力が、ファンタジーRPGの世界観に必ずマッチすると確信していました。この起用が、ドラクエを単なるゲームに留まらせず、キャラクターそのものが愛される国民的コンテンツへと押し上げる大きな原動力となったのです。
ドラクエと鳥山明の関わりはいつからか
鳥山明氏とドラゴンクエストの関わりは、記念すべき第1作『ドラゴンクエスト』(1986年発売)から始まっています。
以来、現在開発中である最新作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』に至るまで、すべてのナンバリングタイトルにおいて中心となるキャラクターデザインを担い、多くのモンスター原案も長年手掛けてきました。この長期にわたる協力関係は、ゲーム業界でも類を見ないものです。
有名な逸話について
鳥山氏が当初、方眼紙にドット絵を描いてデザインを提出した、という話がファンの間で語られることがあります。しかし、初期作品では鳥山氏の原画を元に開発側がドット絵を作成したという説明が一般的であり、この逸話の真偽を一次情報で確認することは難しい側面もあります。
30年以上にわたり、鳥山氏が生み出すキャラクターたちはドラクエの「顔」として、世代を超えて愛され続けているのです。
ドラクエにおける鳥山明のデザインの特徴
前述の通り、鳥山明氏が描くドラクエのデザインには、他の誰にも真似できない独自の特徴があります。結論から言うと、それは「シンプルながらも個性的で、敵でありながらどこか憎めない愛嬌」に集約されます。
具体的な特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- 瞳の表現:スライムをはじめ、多くのモンスターに瞳が描かれており、生命感や感情が伝わってきます。これにより、プレイヤーはモンスターに対して恐怖だけでなく、親しみやすさも感じるようになります。
- 曲線的なフォルム:全体的に丸みを帯びたデザインが多く、子供から大人まで受け入れられやすい、親しみやすい印象を与えています。
- デフォルメされたデザイン:現実の生物や神話の怪物をモチーフにしつつも、鳥山氏ならではのデフォルメが加えられることで、コミカルかつ印象的なキャラクターに昇華されています。
これらの特徴が組み合わさることで、鳥山氏のデザインは見る人の記憶に強く残り、ドラクエの世界観を唯一無二のものにしているのです。
鳥山明が手掛けたドラクエのモンスター原案
鳥山明氏が手掛けたドラクエのモンスター原案で最も象徴的なのが、ドラクえの顔ともいえる「スライム」です。
ゲームデザイナーの堀井雄二氏から「ゲル状のモンスター」というリクエストを受け、鳥山氏がデザインしたあのシンプルで愛らしいキャラクターは、今や日本を代表するゲームキャラクターの一つとなりました。開発者インタビューなどによると、堀井氏自身も最初にデザイン画を見たときは少し驚いたものの、そのシンプルさが逆に大きな魅力になったと語られています。
結果的に、このシンプルなデザインが大成功の鍵となりました。他にも、ドラゴンやゴーレムといった王道のモンスターから、キメラやおおきづちといったユニークなモンスターまで、数えきれないほどの原案を描き上げてきました。彼の豊かな発想力がなければ、ドラクエの冒険はこれほど彩り豊かなものにはならなかったでしょう。
一覧で見る鳥山明のドラクエデザイン
鳥山明氏がキャラクターデザインの根幹を担ってきた、ドラゴンクエストの主なナンバリング作品は以下の通りです。
発売年 | タイトル | プラットフォーム |
---|---|---|
1986年 | ドラゴンクエスト | ファミリーコンピュータ |
1987年 | ドラゴンクエストII 悪霊の神々 | ファミリーコンピュータ |
1988年 | ドラゴンクエストIII そして伝説へ… | ファミリーコンピュータ |
1990年 | ドラゴンクエストIV 導かれし者たち | ファミリーコンピュータ |
1992年 | ドラゴンクエストV 天空の花嫁 | スーパーファミコン |
1995年 | ドラゴンクエストVI 幻の大地 | スーパーファミコン |
2000年 | ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち | プレイステーション |
2004年 | ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君 | プレイステーション2 |
2009年 | ドラゴンクエストIX 星空の守り人 | ニンテンドーDS |
2012年 | ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン | Wii / Wii U / Windows 他 |
2017年 | ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて | PlayStation 4 / ニンテンドー3DS 他 |
開発中 | ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎 | 未定 |
これ以外にも、『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズや『ドラゴンクエストヒーローズ』シリーズなど、多くの派生作品でもキャラクター原案やデザイン監修という形で関わっており、ドラクエの世界全体に鳥山氏のデザイン哲学が行き渡っています。
心を掴むドラクエの鳥山明イラスト
鳥山明氏のイラストは、ゲームのパッケージや攻略本、関連グッズなど、様々な媒体でドラクエの世界を彩ってきました。そのイラストは、冒険のワクワク感や仲間との絆、そして時には戦いの厳しさを見事に表現しています。
例えば、歴代のパッケージイラストを思い浮かべてみてください。主人公たちが雄大な大地を背景に前を見据える構図は、これから始まる壮大な冒険を予感させます。ただし、後年の作品では、鳥山氏の原画を元に別のアーティストがパッケージアートの仕上げを担当するケースも見られます。
鳥山氏のイラストの魅力は、静止画でありながらキャラクターが動き出しそうな躍動感にあります。戦闘シーンのイラストでは、剣を振るう力強さや呪文を放つ迫力が伝わり、プレイヤーの想像力を掻き立てます。こうしたイラストが、ゲームをプレイする前後の楽しさを何倍にも増幅させてくれたのです。
ゲーム内のドット絵や3Dモデルの元となるこれらのイラストは、ドラクエの世界観の根幹をなす、まさに宝物と言えるでしょう。
ドラクエにおける鳥山明の功績と今後の展望

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- ドラクエの鳥山明デザインはいつまでか
- 生前の鳥山明にドラクエ引退の噂はあったか
- ドラクエの鳥山明に後継者はいるのか
- ドラクエが鳥山明じゃないと言われる理由
- ドラクエの鳥山明はなぜ亡くなったのか
- 鳥山明の死因はタバコが原因という説
- 総括:ドラクエと鳥山明の不滅の功績
ドラクエの鳥山明デザインはいつまでか
鳥山明氏が亡くなられたことで、多くのファンが「鳥山先生のデザインはいつまで見られるのか」と気にしています。鳥山氏がデザイン作業に関わった完全新作としては、開発中の『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』が最後になる可能性が高いと考えられています。
堀井雄二氏は、2021年に亡くなった作曲家のすぎやまこういち氏と鳥山氏に触れ、お二人の「遺作にふさわしいものにしたい」とコメントしています。この発言から、鳥山氏が『DQ12』のデザインに深く関わっていたことが尊重されており、多くのファンがこれが一つの区切りになると受け止めています。
したがって、『DQ13』以降のナンバリング作品や今後の完全新作については、鳥山氏が直接デザインを描き下ろすことはありません。しかし、彼の残した偉大なデザインは、今後の作品にも何らかの形で受け継がれていくと考えられます。
生前の鳥山明にドラクエ引退の噂はあったか
鳥山明氏がドラクエのデザインから「引退する」という公式な発表や、それに類する信憑性の高い噂は生前にはありませんでした。
もちろん、長期にわたるシリーズであるため、ファンの間では「いつかは世代交代があるのではないか」といった憶測が交わされることはありました。しかし、それはあくまでファンの間での会話レベルのものであり、鳥山氏自身やスクウェア・エニックスから引退が示唆されたことはありません。
前述の通り、亡くなる直前まで『DQ12』のデザイン作業に関わっていたことからも、最後まで情熱を注いでいたことがうかがえます。
ドラクエの鳥山明に後継者はいるのか
「鳥山明氏の後継者」として、公式に特定の個人が指名されているという発表は、現時点(2025年9月現在)ではありません。鳥山氏のデザインはあまりにも個性的で影響力が大きいため、特定の誰かがその役割を完全に引き継ぐことは非常に難しいでしょう。
しかし、スクウェア・エニックスは「鳥山先生が生み出してくださったキャラクターや世界観は、これからもドラゴンクエストのなかに息づいていきます」と公式に表明しており、そのデザイン哲学は継承されていきます。(参照:スクウェア・エニックス公式サイト)
今後のデザイン体制の可能性
今後の作品では、鳥山氏が設立した「バードスタジオ」が監修し、鳥山氏のデザインを深くリスペクトするデザイナーたちがチームを組んで制作にあたる、といった体制が考えられます。いずれにせよ、鳥山氏が築き上げたデザインの根幹を尊重し、大切に継承していく形が取られることは間違いないでしょう。
ドラクエが鳥山明じゃないと言われる理由
一部の作品、特に近年の派生作品やリメイク作品において「ドラクエが鳥山明じゃない」という声が聞かれることがあります。この理由は主に、鳥山氏本人が原案から最終的なイラストまで、すべてを描き下ろしているわけではないからです。
作品が大規模になるにつれて、役割分担が進むのは自然なことです。
- 原案・監修という関わり方:鳥山氏がキャラクターの原案やラフデザインを描き、最終的な仕上げや3Dモデル化は別のデザイナーや制作スタッフが行うケース。
- リメイク作品での再構成:例えば『ドラゴンクエストIII HD-2D Remake』では、キャラクターデザインは鳥山明氏ですが、パッケージイラストは生島直樹氏(スクウェア・エニックス)が担当しています。これは原案を尊重した上での、現代の技術に合わせたビジュアルの再構成と言えます。
つまり、「鳥山明じゃない」という意見は、否定的な意味ではなく、制作体制の変化を指していることが多いのです。いずれのケースでも、鳥山氏のデザインの核となる部分はバードスタジオが監修しており、ドラクエの世界観から逸脱しないよう厳しく管理されています。
ドラクエの鳥山明はなぜ亡くなったのか
ドラゴンクエストのキャラクターデザインを手掛けてきた鳥山明氏は、2024年3月1日に逝去されました。多くのファンに衝撃を与えたその死因について、所属事務所であるバードスタジオおよびカプセルコーポレーション・トーキョーは、「急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)」であったと公式に発表しています。(参照:急性硬膜下血腫はこんな病気)
急性硬膜下血腫とは、主に頭部への強い衝撃によって脳の表面を覆う硬膜と脳の間に急激な出血が起こり、血の塊(血腫)が脳を圧迫する状態を指します。非常に危険な状態で、緊急の手術が必要となることが多い病気です。詳しい経緯については公表されていません。
この突然の訃報は、日本国内だけでなく世界中のファンやクリエイターに大きな悲しみをもたらしました。
鳥山明の死因はタバコが原因という説
鳥山明氏の死因に関して、一部で「長年の喫煙習慣が原因ではないか」という説が語られることがあります。しかし、これは公式に発表された情報ではなく、あくまで憶測の域を出ません。
たしかに、鳥山氏が生前、ヘビースモーカーであったことは知られています。そして、喫煙が血管にダメージを与え、様々な健康リスクを高めることは医学的に指摘されています。
ただし、前述の通り、公式に発表された死因はあくまで「急性硬膜下血腫」です。医学的な解説によると、急性硬膜下血腫の主な原因は頭部外傷とされています。(参照:社会福祉法人 恩賜財団 済生会)喫煙と直接の死因を結びつける公式な情報源は存在しないため、分けて考える必要があります。
大切なのは、公式発表を尊重し、不確かな情報に惑わされないことです。
総括:ドラクエと鳥山明の不滅の功績
- ドラクエのキャラクターデザインの根幹は鳥山明が担当
- 関わりは1986年の第1作から始まった
- 堀井雄二氏が鳥山氏のファンだったことが起用のきっかけ
- 担当編集の鳥嶋和彦氏が両者をつないだ
- シンプルで愛嬌のあるモンスターデザインが特徴
- スライムは鳥山デザインを象徴するキャラクター
- 開発中のDQ12が鳥山明が関わった最後の新作になる可能性がある
- 公式に指名された特定の個人としての後継者はいない
- 今後のデザインは鳥山氏の功績を尊重し継承される
- 「鳥山明じゃない」は制作上の役割分担を指すことが多い
- 公式発表された死因は急性硬膜下血腫
- 喫煙が死因という説は公式情報ではない
- 日本のゲームと漫画の歴史に計り知れない影響を与えた
- 鳥山氏のデザインは今後もドラクエの根幹であり続ける
- その功績は世代を超えて永遠に語り継がれる
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